東京高等裁判所 昭和49年(ウ)749号 決定
申立人の本件申立の骨子は、当裁判所昭和四五年(ネ)第二、二五三号事件判決書の事実欄のうち第二・三・(三)・1・A(同判決書二五丁表一行目冒頭より同二六丁表九行目末尾まで)に摘示記載の事項、すなわち申立人が差戻前の第二審判決の仮執行によって係争家屋を退去させられて、同家屋の使用を妨害され、これを使用することによって得べかりし利益の損害賠償として求めた合計一、一八七万二、六五〇円を訴訟物の価額とし、これを基礎として手数料を算定納付したのが過大であるというにあるところ、右損害賠償請求にかかる金員を訴訟物の価額より除外すべき理由は見あたらない。もっとも、損害賠償の請求が訴訟の附帯の目的なるときは、その価額を訴訟物の価額に算入しないことは民訴法二三条二項の定めるところであるが、右にいう附帯の目的となる損害賠償請求とは、主たる請求の履行遅延にもとづく遅延賠償の請求を意味するものと解するのを相当とするところ、申立人の主張するような仮執行を受けたことによって生じた損害賠償(その法的性格は不法行為にもとづく損害賠償にほかならない。)の請求には、主たる請求(訴訟)とみるべきものが存在しないから、これを附帯の目的たる性質を有するものと解する余地はない。
(畔上 上野正 岡垣)